「ありと見て 手には取られず 見れば又 ゆくへも知らず 消えし蜻蛉 - 薫 - 」
浮舟の姿が見えなくなって、山荘の人々は慌て戸惑いますが、消息がわからないことから、死んだものだと判断して、形ばかりの葬儀を済ませます。匂宮は悲嘆の余り病床に伏してしまいます。薫君は、都で華やかな日々を送りながらも、亡くなった大君、匂宮に渡してしまった中君、行方も知れずに消えてしまった浮舟と、八宮ゆかりの姫君たちのことを思い、物悲しい思いに沈んでしまいます。
蜻蛉の古跡
蜻蛉石が蜻蛉の古跡です。自然石に、阿弥陀三尊が線彫りしてあります。平安時代末期のものです。