「たちばなの 小島は色も かはらじを この浮舟ぞ ゆくへ知られぬ - 浮舟 - 」
匂宮は、浮舟のことが忘れられずその行方を捜します。宇治で薫君にかくまわれていることをつきとめ、闇に乗じて薫君を装い浮舟と強引に契りを結びます。最初は驚いた浮舟ですが、次第に匂宮の情熱に引き込まれていきます。一方、このことを知った薫君は浮舟を見捨てることなく、厳重な警備をして匂宮を近付けなくしてしまいます。穏やかで誠実な薫君と情熱的な匂宮の間で悩み苦しむ浮舟は、ついに死を決意して山荘を出ます。
浮舟の古跡
昔は奈良街道沿いに浮舟社という社があり水上交通の守り神だったようです。その後数度の移転をへて、現在地に置かれました。